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「誠実であり、正直であること」が第一

奈良学園登美ヶ丘中学校高等学校 校長 古川 謙二 先生

体験学習を通して

本校は「自ら生きて・活きる」という建学の精神を礎に、「和の精神を大切にする」、「逞しく生きる力を育む」、 「科学的に物事を見る力を身につける」という3つの教育目標を掲げています。

調和・平和・日本(和)の心を持ち、コミュニケーション力を身につけて円滑な人間関係を築きながら、論理的に考える力を育てることに重点を置いています。 そして、将来、社会でリーダーとして活躍するため、授業以外にも様々な体験学習を設け、多様な価値観に対応できるバランスのとれた教養を身につけることに力を入れています。

ただ見聞するだけでなく、事前にきちんと学習し、体験後は考えをまとめて発表し、自ら伝える力を養っています。

入学式で私が生徒たちに必ず言うのは「礼儀正しく、自分から大きな声で挨拶しよう」。 挨拶こそがコミュニケーションの第一歩であり、相手を理解するきっかけになるという思いからです。 今年、開校7年目。学校としてはようやく独り立ちし始めた段階ですが、新しい試みも取り入れながら、生徒と共にしっかり次の段階へと羽を広げていきたいと思っています。

私学は生徒とともに 様々なことにチャレンジできる

私が国語科の教師になったのは36年前。18年間、公立の高等学校で教鞭を執り、 その後、本校の姉妹校である奈良学園中学校・高等学校に移ったので、ちょうど公立と私立で同じ年月を過ごしたことになります。

公立校を教員一人の力では動かせない、大きな歯車で組織が回る大企業にたとえるなら、私学は自分の力を存分に発揮できる中小企業と言うことができます。 私が公立の進学校にいた頃は、それこそ優秀な先生がたくさんいらっしゃったのですが、 なかなか皆で一致協力して生徒たちの力を向上させようという取り組みにならなかったものでした。

補習をしたいと言えば、ベテランの先生方から、「勉強は授業で完結すべきだ」、 「一つの教科が補習をすれば、他の教科もしてほしいと生徒や保護者から要望が出るではないか」と反対されたものです。 そうした反対はあったものの、実際に開講すると、たくさんの生徒が集まったものでした。

その点、私学では、教科学習に限らず、生徒にとってプラスになると校長が判断すれば、教員のやる気に応えてくれる環境があります。 もちろん何でも自由にという訳ではありませんし、時にはいくつもの仕事を抱えて負担に思う時もありますが、 比較的小規模の私学であれば皆で協力し、時には競い合って、生徒たちと共に頑張ろうという雰囲気があります。

朝早くから質問に来る生徒に丁寧に対応する教師、少しでも隙間があれば授業をもらって進度を進めようとする社会科や理科の教師、 放課後のクラブ指導を終えた後に高3の進学補習を行う教師など、ただ決められた時間や範囲をこなすだけではなく、 生徒たちのやる気に応えてやりたい、しっかりと実力を身につけさせてやりたいという熱意あふれる教師たちが、私学にはたくさんいると思います。

誠実で、正直であれば 思いは必ず生徒に伝わる

私が最初に赴任した公立校は校内暴力や非行、いじめなどがあり、毎日が生徒とどう向き合うかの真剣勝負。 授業やクラブが終われば家庭訪問に行って保護者と話し合い、少しでも学校に目を向けさせようと必死でした。

努力がすべて報われるわけではなく、立ち直りかけても挫折して退学になったり、交通事故を起こしたりして亡くなったりした生徒もいます。 それでもクラブで活躍したり、大学に進学したりと夢や目標を見つける生徒もおり、その時に感じたやりがいや喜びが、教師としての私を支えてきました。

教師の学校生活はテレビや映画で描かれるようなドラマチックな場面がたびたびあるものではなく、 むしろそれらには毎回少ししか登場しない「授業、授業」の繰り返しの日々です。 他の校務で忙しい時には、ともすれば授業を軽視したりする教師もいたりします。

しかし、毎日の、毎時の授業にいかに真剣に取り組むかによって教師の力量が問われます。 校長になってからよく授業を見学しますが、先生が大きな声で熱く語っているのに生徒は冷めていたり、 反対に声は小さいけれど、一生懸命耳を傾けていたりするなど様々。 毎回、すべての生徒を惹きつけ、納得させる授業を行うのは難しいのですが、それらの授業見学を通して、 そして校務に対する取り組み方を見て思うことは、「誠実であり、正直であること」が第一だということです。

間違ったことを言った時に、すぐに「すみませんでした」と訂正できるかどうかが大切でその人の資質が分かります。 また、生徒には「期限を守れ」と言っているのに、自らは時間にもルールにもルーズというのでは誰も付いてきません。 何事にも誠実に取り組んでいれば、先生方の真摯な態度は必ず生徒に伝わり、彼らは教師を信頼し、確実に伸びていきます。 その中で共に成長していけるのが教師の醍醐味ではないでしょうか。

毎年、私は高2や高3の国公立大学の二次試験対策として、国語の添削を担当しています。 添削後の指導を行う時には、生徒を校長室に呼んで解説をするのですが、その時に問題についての話だけでなく、 進路や勉強の悩みを打ち明けてくれる生徒もいて、やっぱり生徒とのふれ合いは楽しいと感じています。

(このインタビューは2014年08月に行いました。)

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