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教員研修・育成セミナーレポート

[STC研修] 初任者研修【春】2日目

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2日目は初日とは異なるグループに分かれてスタートしました。前夜には懇親会も開かれましたので、会場全体もすっかり打ち解けた様子です。午前中に2コマの講義「スクールコンプライアンス」「授業力アップ(基礎編)」、午後は模擬授業を実施しました。模擬授業に備え「教えるスキル」に関する午前中の講義は、誰もが真剣に耳を傾けていました。模擬授業にあたっては事前に指導案やプリントなどの準備をお願いしており、どの先生方もしっかりと準備をしてこられました。

A スクールコンプライアンス
テーマ「スクールコンプライアンス」
9:30~10:45
講師:遠藤 大介 氏

コンプライアンス遵守がなぜ必要か

学校経営においてコンプライアンス(法令遵守)の重要性はますます高まっています。学校が社会的な存在である以上、法律にのっとった教育活動を展開すること、また、コンプライアンス体制が適切に運用されていることも学校の責任と考えられています。
ひとたびコンプライアンス違反が発覚すれば、生徒や教職員の安全がおびやかされてしまうだけでなく、保護者や地域といったステークホルダーからの信用が失われ、学校経営への影響は避けられません。

初任者の先生方においては「就業規則を守る」といった狭い認識ではなく、教員という「学校の顔」として学校危機管理、法令遵守の重要性をしっかり認識していただく必要があります。そして、スクールコンプライアンスの基礎知識を身に付け、実行できるようになっていただく必要があります。この講義ではグループでケースを考える演習を中心に、弊社コンサルタントの遠藤大介を講師に、対応の原則、臨機応変な対応について学びました。

「昼休みに体育館でバスケットをしていた生徒に、他の生徒が投げたボールが当たり、心肺停止状態になった」という事例をもとに、対応をグループで話し合うことからスタートしました。
「危機管理は生徒や学校だけでなく、先生自身をも守るものだと覚えてほしい」と遠藤氏。私立学校の場合、学校が対象とする危機項目は多岐にわたります。「コミュニケーションの欠如が危機を招くことを知る」「おかしい、と思ったことは、先輩や管理職に伝える」など、学校の危機を防止する「7つの行動指針」を確認しました。

体罰やハラスメントの基礎知識は必須

コンプライアンスは日常の安全管理から始まります。この日は、「体罰」「ハラスメント行為」「その他のタブー」に分けて細かく解説しました。
教育現場で話題に出すべきでない話題や、ハラスメント行為の禁止などを確認しました。特に注意したいのは生徒の個人情報の扱いです。「学校は個人情報のかたまり」と遠藤氏がいうように、出席簿などの個人情報の取扱いについて具体例を挙げながら、解説しました。また、生徒への接触などを避けること、生徒の呼び方、著作権への配慮、学生的な話題を避けるなど、「つい、うっかり」取りがちな行動をとりあげ、注意を促しました。
「体罰」とは「懲戒」が「身体に対する侵害」の性質を帯びているものをいいます。まず「体罰は学校教育法で禁止されている決して許されない行為」と全体で共有しました。そのうえで具体的な事例を挙げながら解説を行いました。

遠藤氏は「体罰のつもりではないのに、体罰とみなされてしまう」行為は、普段からのコミュニケーション不足が原因だと指摘します。久しぶりに会った生徒に激励のつもりで教員が背中を叩いたら、実はその生徒が教員のことが好きではなく「攻撃された」とみなし、体罰ではとの話に広がってしまう、などのケースがあるといいます。こうした事態を防ぐには、生徒とのコミュニケーションを充実させ、指導の場や職員室での情報共有がポイントだとしました。
ハラスメント行為や個人情報漏洩なども、授業の導入の会話や、日常の行動から「ついうっかり」人権侵害が起きやすい部分です。体罰と同様、「何が該当するか」の基礎知識を網羅しました。

B「授業力アップ」
テーマ「授業力アップ~新時代の教育の中における『不易と流行』」
11:00~12:30
講師:遠藤 大介 氏

巧さよりも正しい授業を目指す

午前の2コマ目は「授業力アップ」です。いよいよ授業に関する研修が始まりました。講師は1コマ目に引き続き遠藤氏です。
初任の先生方には「まずは、巧くなくてもよいから、正しい授業を目指してほしい」というのがこの時間の最大のメッセージです。誰もが理想とする「巧くて、正しい授業」に到達するには「発達段階」があります。少し退屈に感じるけれども、クラスは静かで授業が成立し、やる気があふれて生徒の面倒見もよい。そうした「良質だが地味な授業」からブラッシュアップすることを勧めます。
土台となる「良い授業」は「学びのカタチ」「学びのキモチ」「学びのナカミ」の3要素に分けて考えます。この日の研修では3要素の概要を解説していきました。
学びのカタチとは「授業マナー」の整備を指します。生徒の姿勢、心構え、ノートや筆記用具の扱いから、生徒の視線や聞き方、答え方、書き方といった授業にまつわる「型」を整えていくことの重要性を解説していきます。ひとくちに「クラスの秩序を保つ」といっても、さまざまな要素があります。チェックリストを用いながら学ぶ環境を整えるためのポイントをおさえていきました
授業マナーが整ったうえで、「学びのナカミ」である授業の展開を考えます。正しい授業というと、授業の展開に意識が向きがちですが、まず、授業マナーを優先する。この順序を守ることが「正しい授業」の近道となるのです。

授業シーンごとの指導原則を確立する

2020年度から全面実施となる学習指導要領では「何を学ぶか」という指導内容の見なおしにとどまらず、「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」まで言及して改訂が行われました。遠藤氏は教員の役割が「カリキュラムの進行」から「理解・定着させる」に転換しなければならない、と主張します。話すだけが授業ではない、生徒が本当に理解し、知識や技能がどうしたら定着するかを常に考えるのが教員のなすべきこと、というわけです。
その視点に立てば、講義や演習、対話といった授業シーンごとの指導の原則を確立しておくことが確かな授業力につながることは明白です。たとえば、教員と生徒が「対話」するシーンでは、教員の発言は「発問中心」。生徒が教員を見る「注視率は100%」、クラスの「雰囲気」や「理解チェック」に気を配ることが指導の原則となります。生徒が問題に取り組む「演習」シーンでは、作業中心となるため「注視率は0%~30%程度」でよいが、教員がクラス全体の「俯瞰」や「机間巡視」を行うことが必要です。
アクティブラーニングの導入で、ともすると軽視されがちな「講義」も重要な授業の要素です。対話、演習などの手段ともバランスよく組み合わせながら、授業準備を進めることの重要性が強調されました。

プラスのストロークを知ろう
最後は「学びのキモチ」についての講義です。1コマ目のコンプライアンスに関する知識を前提に、生徒のやる気を出す言葉掛けや、やってはいけない叱り方を確認していきます。
ここでは、生徒のやる気を引き出す鍵になる「ストローク」の考え方が紹介されました。水泳やテニスなどで使われる「ストローク」という言葉ですが、ここでは、相手の存在を認める「投げかけ」を指します。目を見る、挨拶をする、笑顔を見せる、などの投げかけは、生徒のやる気を引き出す「プラスストローク」です。おそらく教員を目指す人の多くが得意なことではないでしょうか。
一方、難しいのは「叱り方」です。生徒の話を聞かない、無視する、ため息をつく、などは「ディスカウント」といい、生徒のやる気を損ねてしまいます。遠藤氏はプラスストロークにより生徒との関係性を築いたうえで、注意する、忠告する、制止するといった「マイナスストローク」を投げるのが「正しい手続き」だと強調します。
初任の先生方においては、教員の言動が生徒に及ぼす心理的な効果を冷静に振り返るゆとりはまだなく、日々の授業に精一杯でしょう。研修後のアンケートでも「まずは自分の授業を見なおしたい」というコメントを多く見ることができました。教員として生徒の前に立つ以上、自分の授業を客観視し、課題に正しく向き合う意識を持っていただきたいという意図から、今回は短時間でポイントを絞った研修となりました。「正しく巧い」授業へのプロセスを思い描いていただくきっかけとなれば幸いです。

管理職の先生方の見学も可能です

貴校の初任者がこの研修に参加している場合、また、当STC研修に関心をお持ちの学校管理職の先生方には、模擬授業の見学が可能です。初任の先生方が研修に集中できるよう、弊社スタッフがアテンドいたしますが、若手教員のまっすぐなパワーと成長の過程をご覧いただけます。
次回の模擬授業は8月の初任者研修【夏】に開催いたします。毎日の学校での授業経験、また当STC研修で得たものを活かして、確実に授業力がアップできるよう、弊社も全力でサポートしてまいります。

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