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新学習指導要領 教員志望者が押さえておくべきポイントは?

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教員志望者であれば、学習指導要領が改訂され、新しくなったことくらいは耳にしていることでしょう。とはいえ、具体的な改訂内容がどのようなものかと問われれば、返答に窮する人も少なくないと思います。ここでは、教員採用試験を受ける人が、筆記試験あるいは論文・面接試験に向けて、最低限押さえておくべき新学習指導要領のポイントを解説していきます。

ポイント① 「学習指導要領」の基本的理解

学習指導要領は、児童生徒の学習内容を定めた「教育課程の基準」です。文部科学省が「告示」として示すため、法的な性質を持ち、学校や教師が学習指導要領を無視して教育活動を進めることはできません。その一方、「最低限教えるべき内容」として示されているものなので、プラスして教えることは可能です。

教科書は、学習指導要領に基づいて編集されています。また、各学校の指導計画も、学習指導要領に基づいて策定されます。ただし、学習指導要領の記述内容は大綱的で「余白」があるため、各社の教科書や各校の指導計画には差異があります。「大枠となる基準を示します。あとは各校でよく考えて教育課程を練り上げてください」というのが、学習指導要領のあり方なのです。

なお、学習指導要領は「小学校」「中学校」「高等学校」「特別支援学校」の校種ごとに示されており、いずれも国公私立を問わず適用されます。私立学校だからといって、学習指導要領を無視して自由に教育できるわけではない点は、押さえておいてください。

ポイント② 今回改訂のキーワードと基本的方向性

学習指導要領は、約10年に1回の頻度で改訂されてきました。今回改訂もそのサイクルに準じたものとなっており、2017年3月に小・中学校版が、同年4月に特別支援学校版が、2018年3月に高等学校版が、それぞれ示されました。

当然のことですが、具体的な改訂内容は、校種ごとに異なります。一方で、どの校種にも共通しているのは、「社会に開かれた教育課程」という方向性が示された点です。昨今、経済・社会の変化は目覚ましく、社会人に求められる資質・能力も、これまでにないスピードで変化してきています。中には、「子供たちの65%は将来、今は存在していない職業に就く」との予測を立てる研究者もいます。
今回の改訂では、「変化する社会」を見据えながら教育課程を編成していくこと、あるいは「変化する社会」と結び付けながら教育活動をしていくことが、「社会に開かれた教育課程」として示されました。教員志望者はこの点を理解するとともに、面接試験や論作文試験では、自身が変化する社会と積極的につながり、関わりを持っていく姿勢を示したいところです。

「社会に開かれた教育課程」を実現するために、新学習指導要領では、育成を目指す資質能力を①知識・技能、②思考力・判断力・表現力等、③学びに向かう人間性等の3つの柱で整理しています。①は「何を理解しているか、何ができるか」ですが、これだけでは頭でっかちになってしまいます。知識・技能を②「どう使うか」や、③「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」も育てていく必要があるというわけです。
ちなみに学習指導要領の各教科の「目標」は、この3つの柱に沿って記述されています。採用試験でよく問われるポイントなので、目を通しておきましょう。

先述したとおり、学習指導要領は「教育課程」の基準、すなわち児童生徒が「何を学ぶか」の基準として示されたものです。しかしながら、今回の改訂では、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」も示されました。この点は、過去の学習指導要領にない、大きな特色だといます。
具体的に、「主体的・対話的で深い学び」による「授業改善」を図っていくことが、各校主の学習指導要領の「総則」に示されています。「主体的・対話的で深い学び」を一言で説明するのは難しく、単に一斉講義型の授業から脱却して、対話型の授業をすればよいというわけではありません。このキーワードについては、学習指導要領改訂の方向性を示した中央教育審議会答申(下記参照)に、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」に整理して記述されているので、目を通しておきましょう。


【参考】中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校および特別支援学校の学習指導要領等の改善および必要な方策等について(答申)」(2016年12月)

ポイント③ 教科・科目の改訂点

最後に、教科・科目がどのように変わったのかについても、簡単に触れておきます。今回、最も大きな改訂があったのは高校です。科目として「歴史総合」「地理総合」「公共」が新設され、「現代社会」は廃止されました。理数系では、数学や理科の考え方を活用して課題に取り組む「理数探究」をはじめ、「探究」と名の付く科目が、選択科目として多数設けられました。
小学校では、これまで高学年で実施されていた「外国語活動」が中学年に前倒しされ、高学年では新たに「外国語」が新設されました。長く論争の的となっていた「小学校英語」が、いよいよ教科化されたわけです。これまでの「外国語活動」と違って検定教科書が使われるようになり、「聞く」「話す」だけでなく「読む」「書く」なども扱われるようになります。

これら教科・科目がどのように改訂されたかについては、自身の担当する校種・教科に関係なく、理解しておくようにしましょう。

佐藤 明彦(教育ジャーナリスト/前『月刊教員養成セミナー』編集長)