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2022年7月 教員免許更新制の廃止が決定~現制度の概要・始まりとは

2022/04/22 (最終更新日:2022/05/12)

「教員免許更新制」廃止の動き

2021年の春先より、必要な教員数の確保とその資質能力の確保の両立を目的として、この「教員免許更新制」の抜本的な見直しに向けた議論が行われてきました。2021年7月には、現職教員へのアンケート調査結果が公表されます。「多忙な業務の合間を縫って受講するため、個々のニーズに合った講習ではなく、スケジュール的に受けられる講習を受けている」という実態と、「教員免許更新制」に対する現職教員の負担や不満が明らかになりました。

このことをきっかけに、廃止への動きが加速化。2022年2月には、同年7月の「教員免許更新制」廃止と、教員の資質向上の担保を目的とした新たな研修制度の整備に向けて、教育職員免許法などの改正案が閣議決定されました。2022年4月21日現在、国会において衆議院本会議で賛成多数により可決。2022年5月11日参院本会議で可決、成立しました。
今後は2022/7/1以降、教員免許の有効期限や更新講習がなくなる一方、新たに教員のための新たな研修が実施されるようです。(2022/5/12追記)

そもそも教員免許更新制とは

「教員免許更新制」とは、ひと言で表現すると、「教員免許に10年間の有効期間を付す制度」と言えます。新免許状(2009年4月1日以降に授与される免許状)の場合、免許を更新するためには、大学などが開設する30時間以上の免許状更新講習を受講・修了した後、免許管理者(都道府県教育委員会)に申請する必要があります。文部科学省ではその目的を、「その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識・技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指す」としています。

旧免許状(2009年3月31日以前に授与された免許状)を有する人の免許状には、有効期間は定められていません。ただし、現教職員や、教育委員会において学校教育に関する指導を行う立場の人など、更新講習の受講義務者として定められている人の免許状には、修了確認期限(旧免許状所持者が更新講習修了確認を受けなければならない期限)が設定されています。修了確認期限までに更新講習修了確認を受けなかった場合、免許状は失効となります。

「教員免許更新制」は2009年4月1日、「2011年3月に満35歳・45歳・55歳の人が、2009年4月から2年間で更新講習を受けて免許更新をする」という形でスタートしました。更新講習には、免許の種類にかかわらず、すべての受講者が受講する「必修領域」、免許の種類や勤務する学校の種類などに応じて選択する「選択必修領域」、対象職種(教諭・養護教諭・栄養教諭)に応じて任意に選択する「選択領域」という、3つの領域が設けられており、更新申請のためには、「必修領域講習」6時間以上、「選択必修領域講習」6時間以上、「選択領域講習」18時間以上の、計30時間以上を受講・修了しなければなりません。

免許状更新講習の内容

各領域の内容は、以下のとおりとなっています。基本的に大学で開設されており、各自が直接申し込み、受講料を支払います。

【必修領域】
・国の教育政策や世界の教育の動向
・教員としての子ども観、教育観等についての省察
・子どもの発達に関する脳科学、心理学等における最新の知見(特別支援教育に関するものを含む)
・子どもの生活の変化を踏まえた課題

【選択必修領域】
・学校を巡る近年の状況の変化
・学習指導要領の改訂の動向等
・法令改正及び国の審議会の状況等
・様々な問題に対する組織的対応の必要性
・学校における危機管理上の課題
・免許法施行規則第二条第一項の表備考第五号に規定するカリキュラム・マネジメント
・育成を目指す資質及び能力を育むための主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
・教育相談(いじめ及び不登校への対応を含む)
・進路指導及びキャリア教育
・学校、家庭及び地域の連携及び協働
・道徳教育
・英語教育
・国際理解及び異文化理解教育
・教育の情報化(情報通信技術を利用した指導及び情報教育(情報モラルを含む)等)
・その他文部科学大臣が必要と認める内容

【選択領域】
・幼児、児童又は生徒に対する教科指導及び生徒指導上の課題
参考
(参考資料) 免許状更新講習の内容について:文部科学省

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