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カリキュラム・マネジメント 新学習指導要領の重要ワードを理解する

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2017年3月に小中学校、2018年3月に高校の新しい学習指導要領が示されました。新聞やテレビでは、小学校での「英語の教科化」や高校での「教科再編」などが話題になっていますが、教員採用試験対策という点で押さえておくべきポイントは、別の所にあります。その一つが「カリキュラム・マネジメント」で、筆記試験はもちろん、面接・論作文においても、その内容が問われる可能性があります。なかなか難解な用語なので、要点を嚙み砕いて解説していきます。

「カリキュラム・マネジメント」とは何か

一般的に、国の法令等は、カタカナ用語の使用に慎重です。学習指導要領の改訂過程で繰り返し出てきた「アクティブ・ラーニング」という用語も、新学習指導要領が告示された時点ですべて消えました 。「定着していない外来語を使うことで、誤解を招く可能性がある」というのが主な理由です。

一方、同じカタカナ用語なのに「カリキュラム・マネジメント」は、しっかりと残りました。この事実は、新学習指導要領がそれだけ「カリキュラム・マネジメント」を重視していることを意味しています。
具体的に、新学習指導要領に次のように示されています。

各学校においては、児童(生徒)や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。

やや難解なので、これを読んだだけですんなりと理解できる教員志望者はほとんどいないでしょう。下線部の重要ポイントを中心に、細かく解説していきます。

個々の教員に求められる「教科横断的な視点」

一つ目のポイントは、「教科横断的な視点」です。学校の教育活動は、教科担任制の中学校や高校はもちろん、小学校においても、教科ごとに独立した形で進められがちです。その結果、教科ごとの知識・技能が身に付いても、それらを総合的に活用して課題を解決する力が育ちにくい側面がありました。

そうした反省に立ち、新しい学習指導要領では、各学校が学校教育目標を立て、子どもたちに育みたい力を明確にし、これを実現するために教科間の連携を図りながら教育活動に臨むことが求められています。そのため、小学校の教員はもちろん、中学校や高校の教員も、学校が掲げる「資質・能力」の育成に向けて、教科ごとの役割を考え、教える順序等も工夫しながら授業していくことが求められます。

「PDCAサイクル」を通じて教育活動の質的向上を図る

二つ目のポイントは、教育課程の計画(Plan)・実施(Do)・評価(Check)・改善(Action)を行っていくこと、すなわち「PDCDサイクル」を通じた質的向上を図っていくことです。「PDCAサイクル」はもともと、企業の生産管理の手法として用いられる言葉でしたが、最近は学校教育分野においても、頻繁に使われるようになりました。

「PDCA」のうち、「計画(Plan)」については、「管理職の仕事ではないの?」と思う人もいると思います。しかしながら、日々の教育活動(Do)を通じて、子どもたちの実態を把握しているのは個々の教員です。その意味で、教員も学校教育目標の立案等に積極的に加わり、3~6年間で児童生徒にどのような資質・能力を育んでいくのか、教員が「チーム」となって「グランドデザイン」を作り上げていく姿勢が求められます。

「カリキュラム・マネジメント」については、「管理職が取り組むべき課題」と捉えている人も少なくありませんが、決して校長・教頭に限定される課題ではありません。上述したように、一般教員にも積極的に取り組んでいく姿勢が求められるものなので、採用試験で問われる可能性があります。面接や論作文では、積極的に取り組んでいく姿勢を示すようにしましょう。

佐藤 明彦(教育ジャーナリスト/前『月刊教員養成セミナー』編集長)