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「音楽の先生になりたい!」 兼業は可能?キャリアチェンジできる?採用情報収集前に知っておくべきポイント

2021/08/20

公立の教員採用試験で、狭き門となっている音楽科教諭。選択肢を広げるため、あるいは理想の教育環境を求めて、私学に目を向ける人も多数います。ただし、そうした現状とは裏腹に、採用ポストは少ないというのが現実。ここでは、音楽科教諭への就職・転職を考える上で押さえておくべきポイントをご紹介します。

“音楽科教諭は倍率が高い”のはなぜ?─狭き門を突破するための基礎知識─

中学校・高等学校の場合、音楽科の教員は各校1~2名というのが一般的です。1名だけの配置という学校が圧倒的に多く、複数配置であっても、1名は正採用(教諭)で、それ以外の先生は非常勤講師というケースが多く見られます。その理由はズバリ、主要5教科に比べて授業数が少ない副教科だからです。さらに、高等学校では芸術の授業が選択制となるため、担当する授業はより少なくなります。

音楽で教員採用をめざすなら、私学もオススメ

音楽教員になりたいあなたはが、狭き門を突破するために、選択肢の一つとして加えたいのが私立学校です。公立の学校だけを考えていた方には、選択肢がふえることにもなりますし、なにより私立の場合は、音楽に関わる施設・設備、楽器が充実している学校も多数あります。専門性を発揮し、より楽しく、より高いレベルで、さまざまなチャレンジに向けた指導に携わることができます。

以下は、私立学校の音楽教員の勤務スケジュールや待遇です。

●勤務曜日と休日

勤務曜日や勤務時間は、学校で組まれる年間スケジュールによって異なります。学校行事や部活動などの関係で、土日の振替出勤や休日出勤が発生することもあります。その場合は休日出勤手当・時間外手当などが支給されるケースや、学校の規定により、振替休日を取得するなどがあります。
特に音楽の先生の場合、学校の音楽祭や校歌の伴奏が発生する行事などで出番があるため、土日の勤務も想定する必要があります。

●給与

各教科の教員と同じです。下記コラムに給与体系をまとめています。公立と私立、給与モデルの比較などもまとめて掲載していますので、ご参照ください。
[コラム]公立と私立の給与の違い

私学で教諭をめざすなら、まずは“新卒で挑戦”がマスト!?

音楽の先生を正採用(専任教諭)枠で募集することは、私学であっても多いとは言えないのが正直なところです。その中でも、実際に採用されたケースとして多いのは、定年等の退職者が出たことによる欠員補充です。学校が望むのは、長く勤務してくれる人。既卒より、より長い期間働ける可能性が高い、新卒の採用を前向きに考えている学校が多いように感じます。
「音楽科教諭になりたい」という強い思いを持つ大学4年生・大学院生の方は、一度しかない“新卒のタイミング”もぜひ大切にしてください。

経験者や企業転職組は、新設校・新コース開設の情報もチェック!

専任教諭として音楽の教員を採用するケースで次に多いのは、学校・コースの新設にあたっての増員です。重視されるのは、即戦力。学校運営をはじめ、すべての事柄を教職員が協力して推進していく現場で、前職での経験を生かすことができます。

また最近、全国的に通信制高校の新設が増えています。オンライン授業で使う教材の準備、スクーリングへの対応など、全日制高校とは異なる環境下では、社会人経験が大いに役立つことでしょう。

非常勤講師として働くメリット・デメリット~音楽活動との兼業は可能?~

音楽の先生の働き方として、人気がある働き方の一つが非常勤講師です。
非常勤講師の仕事の中心は授業。また授業に付随する教材準備、テスト作成、成績処理などの担当をします。(一部、部活動を非常勤講師が担当するケースもあります。)
週3日以内の勤務が可能なケースもあり、自身で音楽活動を行っていたり、教室を持っていたりする方が兼業として選択するケースも多いです。
ここで注意したいのが、兼業や音楽活動が、勤務先や応募先の学校の規定で認められているかどうかです。SNSによる配信・各種メディアへの掲載が可能か否かは学校の規定によるので、確認しておきましょう。

そして着目すべきは、「専任教諭へのキャリアチェンジ」につながる可能性。現職教員の定年退職に備え、その数年前から非常勤講師を採用し、専任教諭の候補として育成する学校もあります。また、レアケースですが、急に欠員が出て採用した非常勤講師を、専任教諭に登用したというケースも。募集の少ない音楽科教諭だからこそ、採用形態にこだわらず非常勤講師として飛び込み、そこで経験や信頼を得ることは、専任教諭としての道を切り拓く一つの手段と捉えることができます。

私学が求める音楽教員像とは?学校の特徴別対策─マッチング事例から─

●キリスト教系・仏教系の学校

朝礼や学校行事におけるピアノやオルガンの演奏を、音楽の先生が担うケースが多く見られます。その際の、宗教歌などは、独特なコードを使うこともあるようで、比較的高いピアノスキルが求められるようです。実際に、専門が管楽器の先生で、ピアノは大学で基礎レベルまで勉強したという方から、「譜面上は簡単だけど、独特なコードがあり、最初は苦労した」という話を伺ったこともあります。
また、教員自身の信仰の有無が問われることはほとんどありませんが、宗教教育に対する理解も必要になります。

●進学校

学校によっては、音楽教育の専門性の高さではなく、生徒への深い理解につながるとの理由から、「国公立・難関私立大学への合格をめざし受験を乗り切った経験の有無」が重視されることもあります。
また難関大学の受験・合格を一番の目標に置く生徒が多い学校の場合、『勉強熱心な姿勢から授業が進めやすい』という声もよく聞かれる一方で、受験科目ではない音楽の授業は、息抜きのような位置づけでとらえられてしまっている、ということに悩まれている先生の声もよく聞かれます。そういった環境の中で、芸術科でも適度な緊張感を保ち、中身の濃い授業を展開する教員スキルが求められます。

●大学附属校・小学校併設校

法人内に複数の学校がある場合は、選考の時点で、小学校から高校まで、すべての教員免許を持っていることが評価されることもあります。
「高校の選択音楽を担当しながら、敷地内の小学校にて音楽専科の教員を務める」などの兼務スタイルや、「中学校の音楽科教諭として採用された3年後、小学校の音楽専科へ異動した」といった働き方で活躍する先生も多くいらっしゃいます。
小学校の音楽専科の場合、中学・高校の教員免許で指導することもできます。しかし、専任教諭の場合は、たとえ音楽専科であっても小学校の教員免許を必須とする場合もあります。

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