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コラム

校務分掌とは② 「ICT教育推進」のお仕事について知りたい!

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2021/09/24

私学には、「校務分掌」と呼ばれる仕事があります。学校運営のために必要な業務分担のことで、さまざまな校務を、教職員が役割分担しながら進めています。各種校務の仕事内容をご紹介する本シリーズの第2回は「ICT教育推進」。学校によって呼び方はさまざまで、ICTの導入・活用に関わる業務全般を担います。その詳細や位置づけについて、2021年度よりICTの本格活用を始動させた京都両洋高等学校のICT教育推進センター長・青木禎貴教頭にお話をうかがいました。


学校法人両洋学園 京都両洋高等学校
教頭・ICT教育推進センター長
青木 禎貴先生

「ICT推進」は、次代を生き抜く力を培う教育の実現を担う重要な業務

「東洋と西洋の架け橋となる国際人の育成」という建学の精神を掲げる本校では、その教育活動を象徴するコミュニケーションテーマ『「人」として、輝く』に基づき、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育を実践しています。

大学・専門学校・就職と幅広い進路に対応する『S探究コース』、進学系とキャリアチャレンジ系の学びを用意した『Jキャリアコース』、有名私立大学合格を目指す『J進学コース』、難関私立大学・国公立大学進学を目指す『K特進コース』の4コースを設置し、高校1年生から2年生に進級の際には、転コースも可能で、すべての生徒の目標・夢に対応できる学校であるとの自負があります。

そんな本校がICTの本格導入に向けて動き始めたのは2019年の夏でした。高等学校は、正解のない時代へと生徒たちを送り出す最終準備段階。ICT機器を使いこなす力を養うこと、また、ICT活用を通して次代に求められる力を育む授業を実践することは使命の一つであるという思いからです。その実現に向けた業務全般に携わる「ICT担当」は、まさに学校教育の質の向上に直結する位置づけにあり、そこにこそ、やりがいがあると感じています。

環境整備からICTツール活用に対する意欲が高まる雰囲気づくりまで、業務内容は幅広い

ICTの真の活用を目指して、本校は2020年度を、本格導入に向けた準備期間としました。まずは万全のWi-Fi環境を整備するところからスタート。私を含む5、6名が中心となり、活用されている学校の授業を拝見したり、「ICT推進」担当の先生にお話をうかがったりしながら、タブレット機器や学習支援システム・ツールの選定や、それらを用いた授業研究などを並行して行いました。タブレット機器は全教員に配布し、初心者対象の操作方法のレクチャーをはじめとする研修を企画・実施していきました。

そうした中で感じたのが、どうしても生じてしまう、個々のICT活用に対する温度差です。本格導入を目前に控え、「どうやってムードを高めていこうか」と考えていたところに、新型コロナウイルス感染症対策として臨時休校が決定し、ICT活用が一気に加速。スマートフォンで学習支援のクラウドサービスを活用しながら、朝の「ショートホームルーム」と、Web会議サービスを使った「ライブ授業・オンデマンド配信授業」、クラウドサービス上での「課題配信」の3本柱で学習を展開していきました。

初めてのことですから失敗はつきものですが、その再発防止も「ICT推進」担当の仕事です。私は不定期に、時事ネタやイラストを交え、とっつきやすい読み物として失敗事例をまとめた『京都両洋ICT通信』を発行することで、共有・注意喚起を図っていました。

「生徒たちのために」という思いを原動力に教育効果の検証と満足度の向上を追求したい

今後の課題の一つは、「全教員のICT活用スキルをいかに向上させるか」ということ。危機感を持って臨むべき問題なので、各教科の会議、教科主任が集まる会議で議題とすることを促したり、校内研修としてざっくばらんに話し合えるワークショップを実施したりすることで、各教員の疑問を共有・解決していくことに努めたいですね。またコロナ禍の現在、生徒たちが体調不良などで無理に登校しなくてもいいように、ほとんどの授業をライブ配信しています。それらが生徒にとってプラスになっているのか、生徒へのヒアリングを行いながら、活用方法に真の教育効果があるのか否か、検証を進めていく予定です。その結果をもとに、生徒の満足度向上につなげていければと考えています。

もう一つ、気になっているのが、教員のモチベーションやICTスキルによって生じる授業格差。良い意味で授業の質を一定化できるよう、ICTの校内研修を設けることと、全教員に積極的になってもらえるような雰囲気づくりと環境整備、働きかけに根気よく取り組んでいきたいと考えています。

その道はきっと、平坦ではないでしょう。正直なところ、しんどいなと感じることのほうが圧倒的に多いです(笑)。しかし何より、目の前に生徒たちがいると、知らず知らずのうちに必死になってしまっている自分がいるんです。そういう目に見えない“熱量”のようなものを持った仲間が多いことが、私学の 教員の特性なのかなと感じています。

ICT活用の知識・スキルを備えた真の教科指導力を有する教員に期待

“GIGAスクール構想”においては、全生徒がタブレット端末を所持していること、全教員がそれらを活用することが大前提です。今後も「ICT推進」が校務として存在し続けるとすれば、業務内容は変化していくのではないでしょうか。個人的には、必要に応じて個々の教員にアドバイスするなど、全体の管理を行う部署として残っていけばいいなと思っています。

その中ではぜひ、若手教員に力を発揮してほしいという思いがあります。ICT支援員の認定資格や、その業務に関わる資格を取得するというのも一つの方法。採用に有利か否か、校務に活かせるか否かということ以上に、教員としての授業力・指導力の向上に役立つはずです。担当教科・科目に対する熱意を持ちながら、次代に必要な力を育むためのICT活用を追求してくれる教員を求めています。

続きはこちら➡校務分掌とは③「進路指導」のお仕事について知りたい!

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