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コラム

プログラミング教育とは:必修化の目的、小中高での学び、受験

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2022/03/18
プログラミング教育_ロボットを動かす子ども達

「プログラミング教育」必修化の理由

私たちの生活を便利で豊かにしてくれるコンピュータ。家電や自動車などにも内蔵されていますし、パソコンやスマートフォンは、もはや仕事や日常生活において欠かせないものとなっています。さらに、人工知能(AI)の飛躍的な進化が見込まれている今、教育も変わろうとしています。

今後の社会において、コンピュータから得られる情報・サービスを適切に選択し、活用して問題解決にあたることは、ますます必要なスキルとなっており、知識を得るだけでなく、得た知識を活用する力が大切になっていきます。

このような急速に進む技術革新と社会状況の変化に伴い、文部科学省は小学校・中学校・高等学校で「プログラミング教育」の必修化を決定しました。「プログラミング教育」は、小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、高等学校でも2022年度より実施されます。

「プログラミング教育」の目的

そもそも「プログラミング教育」とはどのようなものでしょうか。
「プログラミング」と聞くと、一部の理系しか理解できない難解な言語を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、「プログラミング教育」はSEやプログラマーを目指すなど、将来の仕事のために学ぶ目的で実施されるのではありません。

「プログラミング教育」では、子どもたちは「コンピュータがプログラムによって動き、社会で活用されていること」を体験し、学習します。まずは身近な生活にコンピュータが使われていることや、問題解決に必要な手順があることに気付かせます。

次に「プログラミング的思考」を育成します。「プログラミング」とは、コンピュータに対して順番に指示を出すことによって、意図した動作をコンピュータにさせることです。たとえば「コンピュータで正三角形を描く」という動作を実行する場合、「線を引く」→「左に120度曲がる」というように、動作に必要な動きを分けて考え、コンピュータが理解できる指示を組み合わせて実現していきます。そして必要に応じて修正や改善など、試行錯誤を繰り返すことで、論理的に考える力が養われます。これが「プログラミング的思考」と言われているものです。つまり「論理的思考力」=「プログラミング的思考力」を伸ばし、子どもの可能性を広げ、今後の社会で活躍できる力を身につけるために、プログラミング教育が導入されたのです。さらに、プログラミング教育ではコンピュータをより良い人生や社会づくりに活かそうとする姿勢や主体性を養うことも目指しています。

小・中・高それぞれの「プログラミング教育」

小学校・中学校・高等学校それぞれのプログラミング教育の概要を見てみましょう。
小学校では、教科が新設されたわけではなく、既存の教科でプログラミング体験をしながら“論理的思考力を身につけるため”の学習が行われています。コンピュータを使わずにプログラミング的思考を学ぶこともあります。

中学校では、「技術・家庭」科目の一部として必修化され、問題解決のための基本的なプログラミングを学びます。たとえば、Scratchなどのビジュアルプログラミング言語を用いて、掃除ロボットの動きをプログラミングするなどの授業も行われています。

高等学校ではプログラミングやネットワーク、情報セキュリティといったICTの基礎を学ぶ「情報Ⅰ」が必履修科目として新設され、情報活用力を身につけます。プログラミングはあくまで手段として位置付けられており、教科書によって扱うプログラミング言語は異なります。また、クラウドサービスなどを活用してデータを収集・整理・分析し、結果を表現する力を育みます。さらに、選択科目「情報Ⅱ」では、情報通信、データ処理、情報システムなど幅広い内容を学ぶことができます。

私学の「プログラミング教育」

私学では多くの学校が以前からプログラミング教育に取り組んでいます。公立校と比べても、大部分の私学では早期よりICT機器を導入して使いこなしており、その環境も十分に整っていると言えるでしょう。プログラミングを学ぶことで、情報や時代に流されず、自ら調べて考える力を、今まで以上に育んでいます。

それでは具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。
ある学校では、1980年代からコンピュータ教育をスタート。生徒が主体となったWebサイトづくりや、ロボットを使ったプログラミング教育を大きな柱としており、全国中学高校のWebコンテストでは、何度も優秀な成績を収めています。授業だけではなく、クラブ活動においてもコンピュータ部やロボット部などを設置する私学も多く、自分たちのオリジナルロボットで世界大会に出場し、論理的思考力や発信力を身につけている学校もあります。
ほかにも、「プログラミング言語を学ぶ機会を設けている」「プロジェクションマッピング、量子コンピュータ、人口知能、3Dプリンタなどを題材とした授業を行っている」「ICTツールを活用してプログラミングアプリでゲームを作り、生徒同士でアドバイスし合う時間を設け、一緒に考えながら表現力や協働力を身につける」など、多彩な取り組みが行われています。

ICT技術の発展で社会が変わり、入試も変わる

2025年1月からの大学入学共通テストにおいては、新教科「情報」が新設されます。
さらに近年は中学入試において「英語入試」「適性検査型入試」「思考力入試」など多様な入試が導入されており、そのなかで「プログラミング入試」を実施する学校も増加傾向にあります。たとえば「モーターカーを使って障害物を避けながら荷物を運ぶ」「三角形の周りを猫が3周するプログラムを考える」などが課され、「トライ&エラーを通じて学ぶ力」を見ています。

今後ますますICT技術は発展を遂げ、子どもたちは間違いなく今とは異なる社会を生きることになるでしょう。そのためには価値観を転換し、それに備える必要があります。先端ICTに関する正しい知識とリテラシー、多様性への寛容。これらを包摂するプログラミング教育は、未来を生きる子どもたちの大きな力となるに違いありません。

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