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これからの教員に求められる「グローバル」な教育力

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グローバル社会が進展するなか「世界」に視野を広げる教育をすることは、子どもたちがよりよく生きるための選択肢を増やすことにつながります。その入口になるのが海外留学です。かつては「帰国後、日本での就職活動に間に合わない」「短期留学では英語は身につけかない」などと言われていましたが、企業が留学経験者に求めるのはチャレンジ精神やコミュニケーション力でもあるようです。

留学をする大学生の中には「中学・高校時代の海外研修や修学旅行がきっかけ」と振り返る人も少なくありません。特に私立学校は早くから多彩な海外体験ができるようプログラムを導入してきました。世界に目を向け、地球規模でものごとを考えられる力、思考力を身につけるには先生方にも海外研修、留学、グローバル教育に関する知識が求められています。

留学経験者を積極採用したい企業が6割

文部科学省の留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」は今年5月、全国の大学生と企業採用担当を対象に「就職活動と留学に関する意識調査」をおこないました。企業採用担当の63.6%が「留学経験者を積極的に採用したい」、55.3%が「留学経験のある学生の採用割合が増えている」と回答しています。

トビタテ!留学JAPAN

トビタテ!留学JAPAN

留学をすると大学を休学しなければならない、帰国のタイミングによっては就活に乗り遅れる、などのイメージがあるかもしれません。しかし、この意識調査では企業採用担当の73.1%が「留年や休学は採用でマイナス評価にならない」と答えています。ネットによるエントリー、オンライン面接や柔軟な採用時期を導入する企業が増えてきたことが背景にあるとみられます。

学生に留学で得てほしいこととして、「何事にも挑戦するチャレンジ精神」(65%)「対人コミュニケーション能力」(59.8%)「広い視野でものごとをとらえる力」(54%)が上位に上がりました。これらの意見は実は「語学の習得」(44.8%)よりも高く、積極的に人とかかわる力や広い視野が留学経験者に期待されています。

語学学習だけではないグローバル教育へ

大学に入ってから留学をする人の中には、中学・高校時代の海外研修や修学旅行がそのきっかけとしている場合も少なくありません。「修学旅行でホームステイをした家族にもう一度会いたい」「語学研修でもっと英語を勉強したい」「3週間、現地の学校に通って海外で学んでみたくなった」など動機はさまざまです。

私立学校はグローバル教育が言われる以前から海外に目を向け、独自の研修や修学旅行、国際理解教育などいわゆる国際化のプログラムに取り組んできました。その歴史は建学時にもさかのぼることもあります。明治期に創立された学校で当時から国際人育成を教育方針に掲げる学校もありますし、キリスト教系のルーツを持つ学校では海外の姉妹校との交流を長く続けている学校もあります。

比較的新しく創立された学校ではグローバル人材育成を特色に打ち出し、英語で授業をおこなう「イマ―ジョン教育*」など、語学面だけをみても先進的な取り組みがあります。また、学校の歴史を問わず、多様な文化への理解や寛容さを学べるようなプログラム、環境問題や貧困対策などいわゆる地球規模の社会的課題をテーマに選び、解決方法を探究させるなど「地球市民」としての人間力育成を狙いとした教育を進めている学校もあります。

海外研修の行き先もカナダやオーストラリアなどの英語圏だけでなく、アジア各国やヨーロッパまで多様性に富んでいます。プログラムの目的は語学力向上や国際交流だけでなく海外の大学の視察、体験学習、アクティブラーニングの一つとしてプロジェクトを海外で展開させるなど、ユニークな活動をする学校も出てきています。

* イマージョン教育、イマージョン・プログラム – Wikipedia

10代の海外体験は貴重

こうした動きが広まったのは日本が経済成長を遂げ、海外に行きやすくなったということもありますが、もうひとつ見逃せないのは海外で過ごすことによる教育効果です。10代で行く外国の世界は子どもたちにとって初めての経験ばかりです。

留学で得る体験

・日本語が通じない環境で何とか自分の意思を伝えようとする
・異文化にふれて多様な価値観を知る
・現地の同じ年代の子どもとふれあって言葉の壁を越えた友情を育む
・語学力、特にリスニング力が上がる
・初めて親元を離れ、自分のことは自分でやる「自立心」が芽生える
・海外の文化を知り日本文化にも目を向けるようになる

このような経験は帰国してからさまざまな効果を生み出します。勉強や部活動に向かう意欲だけでなく「精神的にひと回り大きくなった」と、人間的な成長がみられることを先生方は指摘します。「また行きたい」「自分の力をもっと試したい」と再び海外を目指す意欲は10代の原体験によるところが大きいのです。

先生自身もグローバル化の意欲を持つ

私立学校の教員を目指す方たちには「海外」「外国語」「英語」「留学」などに対する抵抗感をなくし、積極的に取り組んでいこうとする姿勢が求められます。生徒に「留学をしたい」と言われたときに、ある程度の情報を提供できるようにしておくことも必要です。現在、高校生の留学を増やすためにハードルとなっているのが情報不足だと言われています。冒頭の調査では「生徒の留学を応援したい」と答えた高校の先生は9割、「高校時代に海外留学をしたほうがいいと思う」が6割にも上ります。ところが生徒の留学サポートにあたり課題だと感じることとして、5割の先生が「指導ノウハウの不足」「情報不足」と答えています。海外の大学やカレッジに留学したことがある人は、ぜひそのときの経験や知識を生かして私立学校で生かしてみてください。

グローバル教育の仕事は何も英語科の先生だけの担当ではありません。ほかのどの教科の先生にもあてはまります。海外研修の企画や引率などに英語科以外の先生もかかわることは一般的ですし、交換留学制度で海外の中高生を受け入れている学校や、海外からの視察団を受け入れる学校もあるので、ホストとして「迎える」仕事もあります。

探究的な学習の中で「生徒が研究成果を英語でプレゼンする」機会も今後は増えていくでしょう。何より生徒に教える教科内容そのものがグローバル化というテーマを避けて通れないのではないでしょうか。世界標準を視野に入れ、思考力や表現力、生徒の学習意欲を伸ばせるよう、これからは先生の意識もグローバル化が求められているのです。


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