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コラム

AIとどう向き合う?教育現場が直面する課題|AI時代の教員が知っておきたいこと(1)

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2026/01/30

膨大なデータ処理により、瞬時に答えを導き出す。自動で絵や動画を作ることさえお手のもの――AIは、今や私たちの生活に欠かせない存在です。
教育界でも、さまざまな場面でAIが存在感を発揮するようになってきました。しかし、その活用については道半ば。現場の教員たちが試行錯誤している段階です。
私たちは、AIとどう向き合うべきでしょうか。どうすれば、共に子どもたちの未来に貢献する、よきパートナーになれるでしょうか。AI時代の教育において教員に何が求められるのか、専門家と一緒に考えます(全3回)。

教員とAIの関係性はいまどこにあるのか|
現場で起きている温度差と課題

お話を伺ったのは、西本裕樹先生。小論文などの指導講師としてZ会グループや高校・大学で活躍するかたわら、その添削を行うAI教材開発にも携わったエキスパートです。

AIと教育を取り巻く現状について、西本先生は「まだまだ『AI=得体の知れないもの』というイメージが根強い」と指摘しています。現場では温度差が大きく、AIを「まずは使ってみよう」と積極的に取り入れる教員もいれば、「よくわからないから手が出しにくい」と慎重な姿勢を示す教員もいます。

その背景にあるのは、AI活用が理念先行型になっていること。例えばGIGAスクール構想による一人1台端末環境を推進したときも、「端末は行き届いたが、どう使えばよいのか分からず持て余し気味」という学校が続出しました。まず導入ありき、で政策が進み、現場がそのスピード感に追い付けなかったのです。

つまり、「何のために一人1台端末を実現するのか」という意図が浸透しないまま、モノだけが降りている状態。西本先生は「AIもこれに近いことが起こっている」と指摘します。何のためにAIがあるのか、どう実装していくのか、そもそもなぜ授業で使わないといけないのか…。これらについて、教員も生徒も共通認識を持っていくことが大事だと言えそうです。

なぜAI活用は現場に浸透しにくいのか|
「目的不在」が生む混乱

具体的にどのような共通認識が必要なのかは後述するとして、AIにせよデジタル端末にせよ、現場はどのような認識なのでしょうか。西本先生が、こんなエピソードを明かしてくれました。

ある高校で、小論文講座を担当した西本先生。受験生が持つ学問的関心を「私にとっての未知の問い」として論じさせる問題を扱ったとき、「一人1台端末は本当に必要なのか」という問いを立てている教育学部志望の生徒を数名見つけました。先生がなぜその問いにしたのかを聞くと、生徒たちは「だって、タブレットを使うことのメリットって、タイピング能力が高まることくらいですよね?」と口々に答えたそうです。

子どもたちに一人1台端末の意義が浸透していないことを象徴する会話だったと、西本先生は振り返ります。

新しいテクノロジーが登場し、それが教育の文脈に組み込まれようとするとき、「これからの時代は〇〇だ」「教員は〇〇を使いこなすべき」といった、勇ましい掛け声がどこからか聞こえてきます。しかし先述したように、「何のために、どのように使うのか」についての現場レベルでの共通認識や、具体的なガイドラインの提示が不足したままだと、無用な混乱が生じてしまうのです。
最終的に困るのは現場の教員と生徒です。現場置き去りの状況は、早急に改善する必要があると言えます。

教育現場におけるAI活用の2つの軸|
校務効率化と授業実践

話をAIに戻しましょう。ここからは、教育現場におけるAIの活用事例を見ていきます。具体的な実践の様子を知ることが、「教育×AI」についての解像度を高め、「何のために、どのように使うのか」についての理解を深めていくことにつながるからです。

西本先生いわく、AI活用は大きく「校務での実践」と「授業での実践」に分けられるそうです。

例えば前者では、文書や授業案のドラフト(たたき台)を作らせる、会議の議事録を自動作成するなどの事例が見られます。これにより事務的作業の大幅な時短が見込め、その時間を本来やるべき生徒対応に充てたり、労働時間の短縮につなげたりすることが可能です。

後者では、AIドリルを使った個別最適化学習(個人の学習履歴や傾向などをAIが分析し、最適な演習問題を自動で提供する)などが挙げられます。特に算数・数学など、習熟度に差が出やすい教科については、ドリル教材が大活躍中です。作問・配布・回収・採点・返却といった一連の流れをAIに任せることができるため、校務的な面でも効果的だと言えます。

授業での生成AI活用例|
思考を深める「壁打ち」と探究学習

加えて近年、ドリル教材と双璧をなす形で台頭してきているのが、「壁打ち相手」としての生成AI活用だそう。
生成AIといえば、まるで人間と対話しているかのような感覚で、質問に答えたり、情報を提供してくれたりする手軽さが特徴です。「チャッピー」ことChat GPT(Open AI)や、Gemini (Google)などが有名ですね。

授業でも、そんな生成AIの同時双方向性が生かされています。
例えば歴史の授業なら、ある史実が起こった背景や意義を生徒が自分で考察し、AIにフィードバックやディスカッションを求めるというアプローチです。理科でも、生体の仕組みについて学んだあと「人間の生命維持に最も重要な物質は何か」を考えるといった実践事例が見られました。
いずれも、生徒は学んだ知識をもとにさまざまな仮説を立てて自分の考えを述べ、それに対してAIが同意してくれたり、誤りを指摘してくれたり、別の視点や切り口を示唆してくれたりするわけです。以前であれば、こうした授業を実践したくても難しいのが現実でした。教師が個別対応できる時間や量には限界があるからです。

こうした教育現場が抱える物理的な制約を乗り越えられる点に、AI活用の大きな意義があります。その点においては、西本先生が開発に携わった小論文の添削AI教材「AI添削トレーニング」(エデュケーショナルネットワーク)もまったく同じ。そこで次回は、同教材の開発から授業での実践事例を題材に、AI活用のヒントをさらに掘り下げてみます。

続きを読む→小論文添削にAIは使える?学びの質を高める実践モデル|AI時代の教員が知っておきたいこと(2)

(記事監修)西本裕樹(にしもと ゆうき)
Z会グループオーダー講座講師。主に小論文・志望理由書・探究領域の指導を担当。高校・大学、予備校などで教壇に立ち、「学びのデザイン」と「個性の言語化」を軸に多様な教育現場に関わっている。また、教材開発やクリエイティブワークショップの設計・運営を行うPLAYFUL POCKETの代表として、学びや表現の新しい形を発信。AI活用にも積極的に取り組み、エデュケーショナルネットワークと協働してAI教材「AI添削トレーニング」の開発に携わった。


(筆者)松見敬彦(まつみ たかひこ)
ライティングオフィス・トリガーワークス主宰。教育業界を中心に寄稿やコピーライティングを手掛けるフリーライター。主体性なく自堕落な若者時代を過ごした反省から、教育の価値や可能性を痛感、ペンの世界で教育への貢献を志す。高校改革を軸とした地方創生ムーブメント「高校魅力化プロジェクト」にも参画し、大学入試の志望理由書や小論文、キャリア教育の外部講師なども務める。広島県出身、大学進学に伴って長らく大阪で暮らしたのち、宇治茶の最大産地でもある京都府和束町にイナカ移住。妻と、特別養子縁組で迎えた息子の3人家族。

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