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オンライン授業⑥ オンライン授業実践事例 ~同時双方向型編~

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猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大。全国で学校が休校になる中、さまざまな形で行われたオンライン授業への挑戦。ほとんど前例のない取り組みゆえに、そこから生まれた実践事例には、新しい授業運営の視点や今後の可能性を感じさせるヒントがたくさん詰まっています。そこで今回は、国内のユニークなオンライン授業の事例や、実践のポイントなどを集めてみました。

「オンラインだからできること」を活かす発想を持とう

基本的に「オンライン授業」とは、Zoomなどを利用して先生と生徒が?がり、リアルタイムで行う同時双方向型と、学習動画など視聴する非同期オンデマンド型に分けられます。学校のHPやClassiなどのプラットフォームから学習内容や課題を指示する方法も、広義ではオンデマンド型に分類することができるでしょう。

各校・各家庭のICT環境などによりオンラインへの取り組み方やスタンスはさまざま(詳しくはこちら)でしたが、現場の先生方はそれぞれに工夫を凝らしています。従来の対面式授業で行っていたことをそのままオンラインで再現するのが「基本形」ではありますが、その過程でユニークな事例も多数生まれました。ひとつのポイントは「オンラインだからできること」に注目する視点だったと言えそうです。ここでは特に、同時双方向型の発展的応用事例に着目してご紹介します。

教室での授業を、そのままオンラインにするだけではもったいない

場所を選ばない「距離の壁」を越えた学びへ

オンライン授業ならではの代表的な強みは、やはり「場所の制約を受けない」ことでしょう。距離の壁を越えた学びと言ってもよいかもしれません。たとえばK高校では、国内外で活躍する社会人を日替わりで招いてキャリア講演会を開催しました。今までは直接来校が難しかったようなゲストも招へいが可能になり、生徒たちも「明日はどんな人が来るのだろう!?」と楽しみだったようです。

連携している海外フィールドワーク先との事後学習に使ったのはG高校。アナログの場合、海外提携先とのコミュニケーションは、実際に訪問しているときしかできません。その後の交流も手紙やメールのやり取り程度になりがちで、「学びの継続性」という視点では限界がありました。しかし、オンラインなら再び?がってワークショップやディスカッションを重ねることができます。ある意味で「その時かぎりの特別イベント」だった海外との交流学習が、発展的で日常的ものになるのです。

またそうした場では、互いが暮らす国の(コロナ下での)様子も自然と話題に上がります。同校のK教諭は「コロナ下での海外の“いま”はどうなっているのか、生徒たちもリアリティを感じることができたようだ」と、想定外の効果にも手ごたえを感じていました。

オンラインで世界中が学びの場となる

探究型、協働型への応用が目立つ

オンライン授業に用いたツールやアプリの機能を活かした応用も散見されました。

多かったのが、Zoomの「ブレークアウトセッション」機能を用いた少人数でのグループワークです。近年重要性を増している探究型学習では、生徒が一緒に調べ作業をしたり、意見交換したりしながら学んでいくスタイルが主流になっていますが、この機能を使えば、任意のグループに生徒を振り分けて繋がることができます。ひとつの大教室の中に、いくつもの小さな教室を作れるイメージです。

休校明けの後も、「密」を避けるためにグループワークを控えるか、対策を講じて実施するよう通達がなされましたが、こうしたケースに応用した学校もあります。分散登校で学校にいる生徒と自宅にいる生徒(あるいは先生)が一緒のグループで作業したという事例も見ることができました。

また、グループワークでは、対話しながら共同作業を行う場合もあるでしょう。そこでS中学では、Googleの「Jamボード」の活用に挑戦しました。Jamボードとは、オンライン上で共同編集できるホワイトボードのようなもの。議事録やメモを共有したり、発表資料などの成果物を一緒に制作したりできます。生徒たちは、楽しみながら新感覚の共同作業に取り組みました。

コロナ休校下で懸念された問題の一つが、コミュニケーション不足からくる孤独感や寂しさなど、生徒のストレスやメンタルの不調。そうした面でも「友達と一緒に何かをやる」ことができる場の存在は、非常に価値ある教育活動なのです。

「一緒にやるから楽しい」という学びも

「受ける」授業から、「参加する」授業への進化

一方で、オンライン授業が運用され始めてから分かってきたのが、「生徒が集中力を持続するのが難しい」という問題です。ずっと画面を見続けるのは予想以上に疲れるものですし、その条件下で一方的に先生が話し続ける「講義スタイル」の授業では、退屈もしてしまいます。そこで先生方も、生徒に飽きさせないための工夫をさまざまに取り入れました。

たとえばT中学やH中学では、投票(アンケート)機能や、挙手・サムアップ・拍手などの意思表示ができるリアクション機能を使って、生徒たちの一斉理解度チェックを行っています。誰かひとりが注目されることがないため、授業中の自発的な発言が苦手な生徒も意思表示しやすくなるのです。先生方からは、「オンラインになったことで、以前より授業への主体的な参加姿勢が見えるようになった生徒もいた」という声が聞かれました。

また、アンケート機能はゲーム感覚でも使えます。O高校では、事前に学習範囲を指定して予習を課しておき、授業はクイズ形式で4択問題を出題。同機能を用いて生徒がおのおの投票し、その場で開票する授業を行いました。正解数をポイント制にして競い、その日のチャンピオンを決めるというアレンジも加えたそう。単なる正解・不正解の採点ではい、まるでテレビのクイズ番組に参加しているかのような楽しさが生徒たちにも大好評で、「おおーっ!」「うわー、間違えた!」など、答え合わせのたびに歓声が上がったと言います。

こうした傾向には、実践した先生方自身も驚いたようです。「授業中は静かに先生の話を聞くものだ、と思っていた固定概念が変わった気がする」と言う先生もいれば、「生徒は本来『知りたい』『学びたい』という意欲を持っていたのに、自分の授業はそれを引き出せていなかったと反省した」という声も。

もちろん、通常の対面授業よりオンラインのほうが優れているとか、そういう話ではありません。それぞれに強みや特徴があります。しかし、オンライン授業の実践が、新たな価値発見や応用に?がったのは確かだと言えそうです。

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