E-staffアプリ
24年卒も応援!
アプリで採用情報検索
履歴書もスマホで作成

Z会

  1. 教員採用情報のイー・スタッフ TOP
  2. コラム
  3. 日本と世界のICT教育

コラム

日本と世界のICT教育

Share

Close

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
2021/01/22
日本と世界のICT

いまや1人1台スマートフォンを所有する時代。教育の現場でも、ICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)を取り入れた授業が広がってきています。

教育分野におけるICTの導入・活用で世界をリードするのがアメリカ、インド、シンガポール、中国といった国々です。

アメリカ:全生徒にノートPCを配布する州も

アメリカのICT教育の進度は州やエリアによって異なりますが、先進的な事例をいくつか紹介します。

シリコンバレーがあるカリフォルニア州の高校では、オープンソースのデジタル教材を活用した授業が行われていたり、生徒の個人情報や成績をデジタルデータで管理したりと、教育分野のハイテク化も進んでいます。中・高校生にノートPCを配布するメイン州のように、州をあげてICT教育を推進している地域もあります。

また、ICT活用教育に成功している学校としてたびたび取り上げらるのが、ペンシルバニア州の公立ニューキャッスル中学・高等学校です。学校側が用意したデバイスや、最近では生徒自身のスマートフォンやタブレットも利用して、ICTを活用した発展的な授業が盛んに行われています。

ICTを活用したSTEAM教育のパイオニア

アメリカは、日本でもここ数年ようやく浸透してきたSTEAM教育の発祥の地でもあります。オバマ大統領(当時)が一般教書演説でSTEM教育を国家戦略として明確に掲げたのは、今から10年以上前の2011年です。

教育省が実証プロジェクトを推進し、全米工学アカデミーなどの学術団体がSTEM教育(Science, Technology, Engineering and Mathematics=科学・技術・工学・数学を横断的に学ぶ教育法)を提唱。その進化版ともいえるSTEAM教育(STEM教育にArt=芸術をプラスした教育法)で、創造性や独創性の分野に力を入れています。

先に挙げたニューキャッスル中学・高等学校でも、コンピュータで靴のデザインをしてコンテストに挑戦する美術の授業や、ロボットコンクールの準備をする授業など、ICTを活用したSTEAM 教育に力を入れています。そのほかにも、たくさんのICT活用事例が公式ホームページで公開されているので、ぜひ参考にしてみてください。

シンガポール:世界中が注目する「フューチャースクール」

シンガポールでは1997年から2014年にかけて、全教員対象のICT研修や全学校対象のインフラ整備などを段階的に行う「ICT教育マスタープラン(MP)」に取り組んできました。

2008年にマスタープランの一環として始まったのが「FutureSchools@Singapore」です。
「FutureSchools@Singapore」とは、選定された小学校に1人1台のタブレット型パソコンを支給し、ワイヤレスネットワークなど充実したICT環境の中での先進的な教育を推進するというプロジェクトです。その革新的な教育は世界中から注目を集めてきました。日本の総務省が実施する「フューチャースクール推進事業」のモデルにもなっています。

1997年から段階的に進められてきたICT教育マスタープランは、2014年に完了。その成果として、シンガポールの学校には、どの教室にもプロジェクターや電子黒板などが設置され、ICT活用の環境が整備されているといいます。デジタル教材を無料でダウンロードしたり、共有したりできるシステムも充実しています。

2014年からは、ICT産業の人材育成を国策とし、中学生全員に新しい教育プログラムを提供する組織を立ち上げ、博士号を持つスタッフがロボット工学やプログラミング、環境科学、健康科学などを教えています。

小学校から大人になるまで一貫して子ども成績を管理

シンガポールでは、全ての学校にスクールコックピットシステムが導入されています。子どもの基本情報や学校の成績や出欠の記録などをデジタルで一元管理するシステムのことです。これによって、一人ひとりの習熟度に合った教育が受けれられるようになりました。また、子どもが小学校に入学してから社会にでるまでの情報を効率的に管理できるできるようになり、教員の校務負担にもつながっています。

インド:6歳からプログラミングを学習

インドも国をあげてICTを取り入れた教育に力を入れています。州によって教育制度が違うため一概には言えませんが、基本的には6歳(日本の小学3年生)から数学の一部としてプログラミングを学びます。

それ以上の学年になると、Microsoft Windows やMSOffice といったアプリケーションの操作に加えて、LOGO を用いた簡単な図形描画、そしてQBasic、Visual Basic、C++、Javaといったプログラミング言語の基本的な記述を、段階的に学習していきます。

2015年からは6歳~18歳の子どもたちを対象とした、科学技術を学べるプロジェクト「Rashtriya Avishkar Abhiyan」が始まり、ICTやSTEM分野での人材育成に力を注いでいます。

中国:AIに関する授業を小中高校に設置

1984年にはコンピュータを学校教育に導入し、小学3年生から「情報技術科目」を設置しました。2011年には、教育ICT化の発展に向けた10カ年計画を発表。そのための予算は年々増加し続けています。

2017年には、「情報技術科目」の設置を小学1年生に引き下げる決定をしており、小中高校に、新たにAI(人工知能)に関する授業科目も設置されました。

ICTの活用では課題の多い日本

比較的遅れていると言われる日本においても、主に私立中高一貫校では、ICT環境の整備・活用が進んでおり、校内全域にWiFi環境が完備され、生徒が1人1台『iPad』や『Chromebook』のようなデバイスを所有している学校が増えてきています。

一方で、公立学校を含めた日本全体の教育を見ると課題は多く、2020年の小学校でのプログラミング教育の導入をめぐっては、ICT教育の指導にあたる教員の不足や、学校のICT環境整備の遅れなどの問題点が浮上しました。

しかし今後はICTの環境整備、ICTを活用した学びが本格化していくことは確実です。教育現場でICTを効果的に活用できる人材のニーズは高まっていくでしょう。教員をめざす人は、海外の事例にも目を向けて、ぜひ積極的に情報収集をしてくださいね。

エントリーご希望の方は、まずはお気軽にご登録ください。

地方

都道府県