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コラム

オンライン授業⑨アフターコロナで進むか、戻るか。オンライン授業の「これから」 

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2021/04/02

2021/4/2公開

新型コロナウイルスによる学校休業の影響で、図らずも一気に認知度を高めたオンライン授業。誰もがほとんど経験のない中で手探りの試行錯誤を積み重ね、ユニークな実践事例も多数生まれました。一方、休校が明けた以降はどうでしょう。多くの学校で従来の対面授業に戻り、見慣れた授業風景が教室に戻ってきました。オンライン授業とは、非常時の緊急対策に過ぎなかったのでしょうか。それとも、新しい可能性でしょうか。アフターコロナ、withコロナ時代のオンライン授業の在り方について考えます。

本当にすべてが「元通りになって良かった」のか

2020年2月末、新型コロナウイルスの猛威と共に一斉休校に入った国内の学校。この前代未聞の事態をどうにか乗り切り、学校に子どもたちの活気が戻ったのが6月ごろです。このとき、あなたはどんな感想を持たれましたか? 「ああ、元通りになって良かった」と思われたでしょうか?

もちろん、学校に子どもたちが帰ってきたという意味で「元通り」なのは喜ばしいことです。ただ他方で、「対面授業に戻れて良かった」という意味の「元通り」が含まれるケースもあるようで、それについては一考の余地があるかもしれません。なぜなら、オンライン授業をコロナ下での急場しのぎと捉えるのは誤りだからです。少しセンセーショナルな表現をすれば、せっかく教育が新次元へ進化するチャンスが目の前にあるのに、みすみすそれを手放す行為だとも言えます。

専門家らも「緊急事態になってから(なったときだけ)オンライン授業に頼るのではなく、日常的に研究や実践を行って環境整備を続けておくべき」と指摘しています。

コロナ休校の影響で、一気に浸透したオンライン授業

オンライン授業は「授業」ではないという考え

「授業とはリアル対面で行うべきもの」という考えは、長らく教育界の常識でした。それが「正解」であり、対面でできないから仕方なくやるのがオンライン、あくまで次善策という感覚です。

実はこの意識、個人の価値観だけでなく、国レベルにまで及ぶ非常に根深い問題です。年間に必要な授業時間について定めた文科省令によると、なんとオンライン授業は(一定条件を満たさないと)授業時間としてカウントできないルールだったのです。あくまで家庭学習の延長という解釈でした。

コロナ休校とそれによるオンライン授業の必要性を受け、国もあわてて特例的にこれを緩和しましたが、良くも悪くもそれほどまでに規範性の強いパラダイムだったことが分かります。そもそも以前は、対面式以外に授業の手段がほとんどなかったわけですから、無理もないことかもしれません。詳しくは過去の記事でも紹介しています。

小中学校の必要授業時数

コロナ後もオンラインは不可欠。ICT化はますます進む

しかし、時代は変わりつつあります。コロナ休校によるオンライン活用で、授業に双方向性や協働性を持たせたり、子どもたちの意外な一面を発見できたり、不登校など「学びたくても学べない」生徒に機会をつくったりなど、「オンラインならでは」の可能性がいくつも見えてきました。コロナ後もICTやオンラインを積極活用すべきという考えは、全体的な潮流となりつつあります。

実際、国も「GIGAスクール構想」を打ち出し、2021年度末を目標に学校や授業のICT化を早期かつ一斉に進めようとしているところです。また、中央教育審議会(中教審)の「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」も、その答申で「ICTはこれからの学校教育を支える基盤的なツールとして必要不可欠であり,(中略)日常的に活用できる環境整備が必要」と提言しています。先述した、オンラインが「授業」として認めていなかった問題も、対面式と同様に扱う方針を明確にしました。

ICT活用を積極推進する中教審の答申(出典:文部科学省 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申案)【概要】

対面式とオンラインのハイブリッドな授業がスタンダードに?

この動きはもちろん、すべてをオンライン化するわけでも、アナログの対面授業を否定するものでもありません。

関西圏の高校で理科を教えているある先生は、休校が明けてからも「対面しながら、オンラインでも繋がる」授業をしていると言います。例えば資料の配布や回収、共有などをタブレットで行って、生徒同士が活発にコミュニケーションを取る授業を展開しているのです。同教諭は「究極を言えば、知識や情報の伝達だけなら遠隔指導で可能だ。それでも学校に通う意義とは、教員や友達との繋がりを生み出すことだと思う。その『繋がり方』を便利で多様にしてくれるのがICTでありオンラインだ」と手応えを語ります。

おそらく今後は、こうした対面とオンラインの「ハイブリッド化」を進めつつ、必要とあれば「全面オンライン」でも授業ができる準備を常にしておく、という形がスダンダードになるのではないでしょうか。

アナログもデジタルも併用した学びへ

「変化に対応する」とはどういうことか、模範を示すべき

コロナによる休校は、確かに数多くの課題をもたらしました。しかし、その休校によってオンライン授業のノウハウや経験が培われたこともまた事実。それは次代へ繋ぐべき貴重な教育資産です。このまま一過性のものにしてしまうのは、未来に対する損失であるとも言えます。

旧来の常識と、それに代わるかもしれない新しいスタンダードが出てきたとき、学校や教員はその真価を問われます。時代の求めに応じて柔軟に変化を受け入れるのか、かたくなにそれを拒み現状維持を旨とするのか……曲がりなりにも生徒たちに「不確実な未来に適応できる、生きる力」を求めるのなら、先生がその範を示さねばなりません。「強い者が生き残るのではなく、変化に対応した者が生き残る」という言葉がありますが、私たちは今まさに、進化の分岐点に立っているのかもしれません。

続きはこちら⇩
オンライン授業⑩アフターコロナで注目! オンラインと対面の「ハイブリッド授業」とは!?

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