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コラム

オンライン授業③ オンライン活用で見え始めた、「学校の可能性」の広がり

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このたびの新型コロナウイルスという“外圧”は、すべての教育現場へ、否応なしにICTの必要性を突き付けました。しかしこれまで、どちらかと言うと、先進的な私学や一部の先生方を中心に活用が進められてきた教育ICT。ほとんどの先生方が、オンライン授業など未知の分野でした。一方で、それでも試行錯誤・悪戦苦闘を続ける中で、さまざまな事例も生まれてきたようです。オンライン授業を筆頭に、アフターコロナの「ニューノーマル」をも見据えた、新たな可能性を探ります。

同時双方向型だけが、オンライン授業のすべてではない

コロナ禍による学校休業で最も懸念されたのが、授業が行えないことによる子どもたちの学業の遅れでした。これに対応するため、いわゆる「オンライン授業」が行われるようになったのです。しかし、以前のコラムでもご紹介したように、その実施率は必ずしも高いとは言えず、公立校と私立校の間でも開きがありました。

ただ、ZoomなどのWeb会議システムを使った同時双方向型だけがオンライン授業ではありませんし、ベストの選択肢でもありません。「完璧でなくてもいい。子どもたちの学びを止めないために、少しでも今できることを!」――多くの熱意ある先生方が、学校や各家庭の通信環境・所有デバイスの問題などをふまえながら、与えられた環境でできる最善策を模索してきました。

いま使えるもので、いまできることを

さまざまな課題や条件がある中でも行いやすいのが、非同期型の(リアルタイムでない)オンライン授業でしょう。

たとえば、「スタディサプリ」など民間の授業動画配信コンテンツを使って、「今日はこれ、明日はあの授業動画を見ておくように」と指示するだけでも、最低限のことはできます。スタディサプリは基本的に契約・使用料が必要なサービスですが、コロナ休校が続く状況を鑑み、一時的に無償提供されていました(現在は終了)。また、「有料サービスの契約はしていないけど、教えたい学習単元と関連するYouTube動画を生徒に案内した」という先生もおられました。

一方で「やはり、自分で授業をしたい!生徒に教えてあげたい!」と思うのも、教師としては自然な感情。そうした先生方の中には、自らの授業動画を配信した方もいらっしゃいます。

授業動画と言っても、生徒がいない状態で普段どおりの授業を行って録画撮影するだけですから、ICTが苦手な先生でも取り組みやすい方法です。動画をアップロードするための教育プラットフォーム(「Classi」「Google Classroom」「Microsoft Teams」等)が使える環境になくても、YouTubeなどの動画サイトに限定公開すれば問題ありません。撮影も、一般的な家庭用ビデオカメラやスマホで十分です。もう少しデジタルに明るい先生だと、「Power Point」「Keynote」などのプレゼン用ソフトで授業用スライドを作成し、自らのナレーション(解説)音声を乗せて配信したという事例も見ることができました。

もちろん、素人が即席で作った動画ですから、トークをはさんだり、画面が見づらかったり、改善の余地はいくつもあります。加えて、自宅にインターネット環境のない家庭もありますから、全員が授業動画を見ることができるわけではありません。そのため、授業動画だけに頼るのではなく、テキストやドリル・プリントの郵送など、紙媒体も使って補完しながら運営する学校も散見されました。しかしいずれも「まずはできることから」。すでにあるコンテンツや、いますぐ取り組めることを最大限駆使して、一刻も早く生徒たちに学びを届けようとしたのです。


YouTubeで「学び」のチャンネルを検索するだけでも、良質な学習向け動画が多数見つかる


いつもの授業を撮影して動画配信する先生も(画像はイメージです)

オンラインのホームルームや部活動も

ただ、「学校」という存在の意義を考えたとき、授業だけがその価値や目的ではないのはご存知のとおり。先生がいて、友達がいて、そこで育まれる交流・経験・思い出もすべて含めて、人的な涵養を目指す場が学校です。

そういう視点でも、オンライン(ICT)の活用は学校に新たな動きを生じさせました。代表的なものが「オンラインホームルーム」でしょう。始業前、あるいは終業後の10分~20分ほどをかけてみんなでコミュニケーションを取ります。これにはWeb会議システムが必要ですが、導入可能な学校の多くが実施しています。

やはり休校中で先生や友達に会えないのは、子どもたちにとって大きなストレス。「体調に変化はない?」「今日はどうだった?」など、ささいな会話があるだけでも「?がり」を実感できるものです。担任の先生がオンライン上で待機して、生徒が自由に質問したり、会話したりできる「オンラインオフィスアワー」の時間を設けている学校もあります。

ほか「オンライン部活動」に取り組んでいるという事例も。野球部がトレーニング動画を共有しながら一緒に体を動かしたり、吹奏楽部がオンラインで合奏し、それを編集してネット上にアップしたり……これまでの部活動や学校生活では想像しなかったような、ユニークな挑戦も行われています。

確かにこれらは、コロナ禍という外圧から生まれた偶然の産物でした。しかし「こうした取り組みを一過性のもので終わらせるのはもったいない」という声も多く出始めています。コロナの影響で以前の生活様式が変わり、それが普通になる「ニューノーマル」という言葉が聞かれるようになりましたが、まさに学校にも「ニューノーマル」が訪れようとしているのかもしれません。


オンラインホームルームで、生徒とコミュニケーション

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